suckle nouveau 2018

エッセイスト・羽生さくるのブログ。

プライムな午後

最寄りのTSUTAYAが、バス停三つ先に移転してしまって、わたしは目の前が真っ暗になった。

自転車にはもう何年も乗っていないし。

立川店まで数回借りにいき、郵便で返すサービスもつけてもらった。

最寄りだったTSUTAYAも返却ボックスだけは駅前にあるので、郵便代はかからないのだが、もともと車派ではなく徒歩派かつ商店街育ちなので、大きな道路沿いに一軒だけで立っているお店に一人でいくとすごく寂しい気持ちになるのだ。

 

ほどなくAmazonプライムというものがあると知り、映画無料で見放題らしいと盛り上がり、入っちゃおうかなと思ったら、なんともう入っていた。

本の注文のときにどこかクリックしてしまい、無料お試し期間をスルーしたに違いない。

でも、iPhoneで映画を見る気にはなれないから、Fire stickをすぐに注文した。

そして翌日、それが届いたときから、始まってしまったのだ、プライム漬けが。

たしか6月頃だったから、もう4か月。

家にいる日は必ず1本以上映画を見ている。

 

初めて海外ドラマに手を出したときには、二日で8本踏破してしまった。

それはBBCのものだったのだが、映画俳優が主役で絵柄がいいわりに、性格の描き方が極端だった。

ちょっと引っかかりながら、次にアメリカの医療ドラマを見始めたら、当初すごく面白かったのだが、第1シーズンの終わりから食傷してきて、それでも第2シーズンの6話までがんばったものの、あるシーンでもう無理、とリモコンのポーズボタンを押し、もう二度と見ないもんね、という頑な気持ちで終わった。

「嫌気がさす」とはこういうことか、と人生で初めて知った。

 

抽象的ないいかただが、日本の映画とドラマの違いより、海外の映画とドラマの違いのほうが大きい気がする。

海外のドラマも、脚本の構成力はさすがだなと思うのだけれど、キャラクターが強調されすぎていて、互いにからめばからむほど、ばかばかしくなってくる。

 

すっかり見限った気分で、また映画に戻った。

息子とは「仁義なき戦い」シリーズを見始めたし。

これはもう、昭和の力を感じないではいられない。

俳優の生命力の強さが画面から飛び出してくるようだ。

 

そしてきょうは、仕事があったのだけれど、お昼ご飯を食べるからという理由をつけて、また映画を選んだ。

ゲットバック」2012年アメリカ映画で、ニコラス・ケイジ主演。

監督は「コン・エアー」と同じサイモン・ウェスト

コン・エアー」はわたしのオールタイムベスト10に入る好きな作品だ。

主演はこれもニコラス・ケイジだから、いわゆるタッグを再び組んだわけね。

4年前でなぜ観なかったんだろう、DVDも借りてないし。

すなわち、プライムでもっともうれしい部類の作品。

 

お昼を食べ終わっても、とうぜん映画は終わらないわけで、結局3時近くまでかかって全部見た。

で、結果、とても満足。

ニコラス・ケイジが「コン・エアー」同様、悪いことはしたけれど、悪い人ではない、という役柄の、天才銀行強盗。

8年間服役して足を洗うつもりが、かつての仲間に娘を誘拐され、いたしかたなくまた盗む。

娘のベリーショートの髪がかわいかったな。

 

明日は土曜日だけれど、またなにか見ているはず。

暗い画面が見づらいのが難点ではある。