2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧
自分の想像力について、初めて自覚したのは11歳。 なにげなく見ていた教育テレビの通信高校講座の現代国語で 志賀直哉の「網走まで」の朗読を聴いたときだった。 冒頭の上野駅の改札の描写。 大きな荷物を口を曲げてひっぱる人がいる、という一節で、見たこ…
21歳のとき、わたしは立川談志師匠にファンレターを書いた。 すぐにお返事をくださり、末広亭の楽屋でお目にかかることに。 それからずっとかわいがってくださった。 母は、わたしが赤ん坊のとき、 大井町のグランドキャバレーで社交ダンサーとして働いてい…
息子が歩くようになって、最初のうちはわたしも近所の公園に連れていった。 まずはお砂場。 他の子と当然、おもちゃの取り合いになる。 その子たちのおかあさんはいう。 「おともだちに貸してあげなさい」 「おともだちと仲よくね」 おともだち、とわたしは…
一日に少なくとも一度は、外でお茶を飲む。 理由は、知らない人の顔を見たいから。 知らない人の顔を見ないで一日を終えると、寂しいからだ。 いま住んでいる国立から中央線で、 たとえば四ッ谷までいって丸ノ内線に乗り換える。 さらに赤坂見附で銀座線に乗…
わたしが思う「美意識」とは「かっこわるいことをしないこと」。 かっこいいことをするのはさほど難しくないし、意識もとりたてて必要としない。 かっこいいことは万人受けするものだし、 受けなければかっこいいと思ってもらえない。 だから、かっこいいこ…
サクマドロップス、あるいはサクマ式ドロップス。 会社が異なるらしい。 わたしの記憶のなかでは深緑色の缶に入っている。 それはサクマドロップスのほうらしい。 いちばん好きなのから順に、オレンジ、レモン、グレープ、 いちご、メロン、はっか。 てのひ…
Facebookでアカウントを持って6年あまり。 おおむね楽しんできたが、未然に防げたらよかったなと思うこともいくつかあった。 じつをいえば、羽生さくるのアカウントは昨年の始めに一度取り直している。 本名と二本立てにして、仕事とプライベートを分けたの…
わたしは一人っ子だから、きょうだい喧嘩はしたくてもできなかった。 ともだちとは喧嘩したら終わりだと思っていた。 きょうだい喧嘩の経験がないから、 喧嘩しても仲直りができるということを知らなかったのだ。 「おねえちゃんなんて、しんじゃえ」 漫画や…
「お祈りします」 新入生への言葉の最後に院長先生がおっしゃると、 上級生たちが一斉に膝の上で指を組み、目をつむって顎を引いた。 わたしはあわてて真似をした。 ミッションスクールの入学式。 講堂いっぱいの生徒750人と壇上の先生方がともに祈る。 それ…
(註:このお題は「だから夢中なの、◯◯!」で頂きました。当時連日見続けていた「韓国宮廷ドラマ」を代入して、このタイトルとなった次第) 25年間のビデオレンタル歴のなかで、わたしが一度も手をつけたことがないジャンル。 それは韓流だった。 ところがこ…
田舎や郷里を持たない東京者だし、会社勤めもしたことがないし、 お盆やお盆休みと無縁に生きてきた。 今年のお盆もとくにいくところはなく、誰かがくるわけでもない。 といって、なんにもしないで終わっちゃうのはつまらないなあ、と思って、 以前から考え…