suckle nouveau 2018

エッセイスト・羽生さくるのブログ。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

お題頂戴エッセイ大喜利⑨ 想像力

自分の想像力について、初めて自覚したのは11歳。 なにげなく見ていた教育テレビの通信高校講座の現代国語で 志賀直哉の「網走まで」の朗読を聴いたときだった。 冒頭の上野駅の改札の描写。 大きな荷物を口を曲げてひっぱる人がいる、という一節で、見たこ…

お題頂戴エッセイ大喜利⑧ 神様の恩寵や計らいの不思議について

21歳のとき、わたしは立川談志師匠にファンレターを書いた。 すぐにお返事をくださり、末広亭の楽屋でお目にかかることに。 それからずっとかわいがってくださった。 母は、わたしが赤ん坊のとき、 大井町のグランドキャバレーで社交ダンサーとして働いてい…

お題頂戴エッセイ大喜利⑪ FB友達について

息子が歩くようになって、最初のうちはわたしも近所の公園に連れていった。 まずはお砂場。 他の子と当然、おもちゃの取り合いになる。 その子たちのおかあさんはいう。 「おともだちに貸してあげなさい」 「おともだちと仲よくね」 おともだち、とわたしは…

お題頂戴エッセイ大喜利⑦ 寂しさの力

一日に少なくとも一度は、外でお茶を飲む。 理由は、知らない人の顔を見たいから。 知らない人の顔を見ないで一日を終えると、寂しいからだ。 いま住んでいる国立から中央線で、 たとえば四ッ谷までいって丸ノ内線に乗り換える。 さらに赤坂見附で銀座線に乗…

お題頂戴エッセイ大喜利⑥ 美意識

わたしが思う「美意識」とは「かっこわるいことをしないこと」。 かっこいいことをするのはさほど難しくないし、意識もとりたてて必要としない。 かっこいいことは万人受けするものだし、 受けなければかっこいいと思ってもらえない。 だから、かっこいいこ…

お題頂戴エッセイ大喜利⑤ サクマのドロップス

サクマドロップス、あるいはサクマ式ドロップス。 会社が異なるらしい。 わたしの記憶のなかでは深緑色の缶に入っている。 それはサクマドロップスのほうらしい。 いちばん好きなのから順に、オレンジ、レモン、グレープ、 いちご、メロン、はっか。 てのひ…

お題頂戴エッセイ大喜利④ さくる流SNSとのつきあいかた

Facebookでアカウントを持って6年あまり。 おおむね楽しんできたが、未然に防げたらよかったなと思うこともいくつかあった。 じつをいえば、羽生さくるのアカウントは昨年の始めに一度取り直している。 本名と二本立てにして、仕事とプライベートを分けたの…

お題頂戴エッセイ大喜利③ 死ねばいいのに

わたしは一人っ子だから、きょうだい喧嘩はしたくてもできなかった。 ともだちとは喧嘩したら終わりだと思っていた。 きょうだい喧嘩の経験がないから、 喧嘩しても仲直りができるということを知らなかったのだ。 「おねえちゃんなんて、しんじゃえ」 漫画や…

お題頂戴エッセイ大喜利② わたしはここまでどのように神様に導かれてきたか

「お祈りします」 新入生への言葉の最後に院長先生がおっしゃると、 上級生たちが一斉に膝の上で指を組み、目をつむって顎を引いた。 わたしはあわてて真似をした。 ミッションスクールの入学式。 講堂いっぱいの生徒750人と壇上の先生方がともに祈る。 それ…

お題頂戴エッセイ大喜利① 「だから夢中なの、韓国宮廷ドラマ!」

(註:このお題は「だから夢中なの、◯◯!」で頂きました。当時連日見続けていた「韓国宮廷ドラマ」を代入して、このタイトルとなった次第) 25年間のビデオレンタル歴のなかで、わたしが一度も手をつけたことがないジャンル。 それは韓流だった。 ところがこ…

お題頂戴エッセイ大喜利について

田舎や郷里を持たない東京者だし、会社勤めもしたことがないし、 お盆やお盆休みと無縁に生きてきた。 今年のお盆もとくにいくところはなく、誰かがくるわけでもない。 といって、なんにもしないで終わっちゃうのはつまらないなあ、と思って、 以前から考え…