添削もイタコで
去年の夏、ある公立図書館の青少年活動支援課からの依頼を受けて、中高生のための文章教室を開きました。
小学校から始まる作文教育について、わたしは専門外ですが、自分の経験からしても、書くことが楽しくなるような教えかたというのは、なかなかされていないだろうなあと想像していました。
本人が書きたいことを、書きたいように書ければ満点。
書きたいように書くための、語彙や文法、ちょっとした技術を教える、わたしなりの作文教室を開きたい。
ずっと思っていたことだったので、依頼はとてもうれしいものでした。
3回で修了のプログラムを作りましたが、無料の教室ということもあって、通してこられた子は二人でした。
のべ8人のこどもたちを、つまり、個人教授したのです。
一人称を選び直すところから始めて、800文字の「わたしの夢」を書き上げることが目標。
時間内に添削しようとがんばった結果、すぐには立てないくらいへろへろになってしまいました。
こう書きなさい、というお手本を示すなら、わたしにとっては教室の意味がありません。
その子自身が、書きたいことを書きたいように書けるための添削です。
ブログを書くときのインタビューと同じく、一人一人をイタコしました。
こどもたちの反応は、まずまず。
最初はとても恥ずかしそうだった中三男子二人が、活き活きした作文を完成させてくれたのもうれしいことでした。
わたし自身は、いわゆる文才というものは、全員が持っているのだという思いを確かめることができました。
文才、それはすなわち、その人の心なのです。
心は言葉に満ちています。
一つまた一つと選んで綴りましょう。
さくるの添削では、選ばれた言葉を確かめる作業を、ご一緒に行っていきます。
大人の赤ペン先生、またの名をイタコ編集者として。